2010年10月15日金曜日

みせどころ?

         どれくらいぶりなんだろう…。
 父親が結婚式の司式をするのを目の当たりにするなんて。

 普段は着ないガウンを着て、昔からいつも年に何回かの「結婚式」の時は少々スペシャルな感じだった記憶。僕ら子どもたちは、普段目にしない「バージンロード」や「飾り花」なんかに目を奪われるし、何といっても綺麗な花嫁さんに興味深々。そんな中でさっそうと現れる父親。
「病める時も、健やかなるときも・・・ 」
普段の礼拝よりもなんだか格好よい雰囲気で進められていた。
そんな思い出な「司式姿」。

 そして、ひょんなことからつい先日、その父の「司式姿」、現代版(?)を目にした。
父はこの3月で現役の牧師を引退したばかり。意外に思われるかもしれないが、父が講壇に立つのを目の当たりにすること自体、実は僕には随分と久しぶりなのだ。
「ふ~ん。」
たしかに齢を重ねた感じはするけれど、やっぱりその、いわゆる「年季」みたいなものが・・・。新郎新婦にメッセージを語っていたけれど、そこにはリアリティーがあって、ジワっと染みてくるようなものも。
 
少々身贔屓するのには背景がある。実は今、母親が少々足を悪くしている。もともと膝が悪いのだけど、それに加えて最近交通事故にあってしまい車イス状態。毎日リハビリに勤しんで何とか少しずつ「立てる」ようになっているけど、急に生活全般にかかわる大トラブルになってしまった。そんな中、ヘトヘトになりながらも父親が大奮闘しつつ毎日を過ごしている。
「こりゃ信仰のみせどころだねぇ~」
そんな風に子供達にはからかわれつつも、僕にしてみれば「あの父親」が献身的になっているのが失礼ながら少々新鮮。それなりな九州男児的ノリで、どこか時代の風味もあって、つまり「妻に仕える」なんて感じがあんまりしなかったかつての父。しかし最近は、母の抱えかたや車イスの扱いも随分と手慣れてきているし、最初はチラッと口にしていた愚痴の様なものも一切なくなったし・・・。ま、そういう背景を頭によぎらせながら父の結婚式メッセージを聞いていたので、不覚にも(笑) 少々グッと感じてしまったという訳なのだ。

 いわゆる「牧師さん」なんてもんは、自分も含めて、ある意味毎週「机上の空論」のようなことを語っているわけで・・・。でも、そこにどれだけの実存があるのかが聞いている人にも、そして特に語る牧師さん自身にも、きっと問われていることなのだろう。

 そうそう、その式があった九段教会の音の響きはスンバらしく良かった。いつかピンで歌ってみたいものだなぁ。

8 件のコメント:

  1. 九段教会 いつか コンサートとか 実現すると良いですね(笑)

    ……お父様の介護
    たぶん ハタで見ているのと
    ご自身の負担とは 大違い と 思います……
    特に 男性が急に介護者になられると
    女性以上に 慣れないことばかりで 大変になりますし
    お父様ご自身の お身体を悪くされたりしないよう
    ご心配申し上げるところです……

    お母様 早く良くなられることをお祈り申し上げます……

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  2. お母様大変でしね。
    何度かお会いしているので大変びっくりしました。

    陣内さんにとってお父様は「Big Mountain」の存在でしょうか。
    いつか近づく日、そして越える日がきっと来ると思いますよ。

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  3. ジンライム♪2010年10月15日 14:41

    お父様、素敵ですね。じ~~んときてしまいました。
    『病める時も、健やかなる時も・・・』というのを身をもって実践なさっていらっしゃる。
    毎日の事でさぞかし大変だとは思いますが、お二人ともお幸せなんだと思います。やっぱり夫婦っていいですね。
    お母様が一日も早く回復されますように。。

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  4.  そうですか。それは介護するお父様も、介護されるお母様も、それぞれ大変な思いをされていることでしょう。
     
     私は、縁がなく未婚のまますごしてしまいましたので、夫婦の機微のようなものは、ほんとのところ想像するしかなく、父と母の老いの乗り越え方をみて学ぶしかなかったのですが。健やかな時は、たとえ多少平行線であっても、病めるときは、互いが大きな力にためされているときなのかもしれないですね。
     
     私は母を車椅子にのせ、病院まで一人で連れて行く父をみて、やはり母は父を選んでよかったんだなと、しみじみ感じたことがあります。そして、これを幸せの味というのかと思いました。
     
     一つだけ、介護をした経験者としていえることは、介護をしている人をひとりぼっちにしないでください。たとえ愚痴でもなんでもいいのです。話してください、つまらない話でもいいのです。あなたは一人じゃないのだと自分たちがついているのだと。お父様をその大きな心で見守ってさし上げてください、陣内さん。

     お母様のご回復心よりお祈りいたします。

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  5. お母様のこと、介護されるお父様のこと心配です。介護する方々が腰を痛めることがありませんように。でも素敵なご夫婦ですね。羨ましいです。私は病んでいる時に主人に見捨てられてしまったから・・・お互いに相手を思いやる気持ちが欠けていました。辛い日々でしたが、その中で先生に・・・先生の歌に出会えたから、今は幸せです♪もちろん今でも辛い時はありますが、今日も沢山の元気をいただきました。幸せな気持ちで一杯!!先生のギターも聞けたし、歌もトークも最高でした~! 誘った友人も「今度はいつ?」と喜んでいましたし、会場にいた方々からも「良かったわね~」の声を聞きました。先生の歌、生き方は沢山の方々の勇気と支えになっています。お疲れ様でした!明日のコンサートも盛り上がりますように。素敵な出会いをお祈りしています。  そして、お母様が一日も早く回復されますように。

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  6. 陣さん、皆様こんにちは。
    陣さんのお父様!池袋の教会でお見かけしたのはずいぶん前になりますなあ。親のかっこいい姿なんて見たことありません。そもそも”かっこいい”というイメージじゃない職業だったし・・・
    ある時、そんな話を友人としとりましたら「いや、かっこいいよ。その職能の人たちはプライド高いんだぜ」と話してくれました。そんなもんかと思いましたけど。娘はあまりピンときません。
    ただ、他人からそう言われてうれしかったことは事実ですが。
    話が長々となってしまった。
    かつて池袋の教会で見た陣さんのお父様、そして陰からテレながらも見守っていた陣さん、いい親子だなあと思いましたよ。
    久しぶりに陣さんの歌声聞きたくなりました。

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  7. Taizo 殿

    ....「あの父親」...???
    ....いわゆる「牧師さん」なんてもんは...???


    牧師さんのメッセージを通して、神様に我が心の歪みを吟味して頂いたり、必要な意思決定をさせて頂くのは、本当にありがたいことと思っています。

    Taizoさんのメッセージをお聞きする日を、楽しみにしています。


    (お母様が早く回復されますように、お父様の健康が守られますように、お祈り申しあげます)

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  8. 大蔵さんのお父さんって、何か大蔵さんと違って物凄く理性的な感じに見えて素敵です!・・・って別に大蔵さんを邪険にしてる訳じゃなくて(笑)・・・素敵な親子関係ですね!

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